妊娠を機に食べるものに気をつかうようになった、という人は少なくありません。お腹にいる赤ちゃんが元気でいられるよう、また母となる自分の身体のことを考えてバランスのとれた食生活を心がけるのはとても大事なことです。
妊娠中に不足しがち……といわれる栄養素はいくつかありますが、実は季節によっても不足しがちになってしまう栄養素があることが、研究によって明らかになってきました。
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冬に出産予定の人はビタミンDが不足しがち!?/h2>
妊娠中は妊娠前と比べ、必要になる栄養素が異なってきますよね。不足しがちな栄養を補うため、料理で使う食材に気を配っている人もいることでしょう。
でも、「冬に出産予定の妊婦は、季節的な影響でビタミンDが欠如しやすい」ことが、イギリスとアメリカの研究(※)で明らかになりました。ビタミンDは実際にどんな働きをして、不足するとどうなってしまうのでしょうか。また、なぜ冬にビタミンDという栄養素が不足しやすいのでしょうか。
※イギリスのサウサンプトン大学とアメリカのオックスフォード大学の研究による
ビタミンDはお腹の赤ちゃんの骨づくりのために大切!
脂溶性ビタミンのひとつである、ビタミンD。ビタミンDには小腸や腎臓などでカルシウムとリンの吸収をサポートしたり、血液の中のカルシウム濃度を保ってくれる働きがあります。
このビタミンDが不足すると、骨にカルシウムがうまく吸収されません。健康的な骨を維持する栄養素が不足することで、骨や歯を形成するのが難しくなったり、骨に異常が出てしまう場合があるようです(※1)。妊娠期はお腹の赤ちゃんの骨づくりを考え、ビタミンDが不足しないよう気をつけてあげたいところです。
※1 国立環境研究所「体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定」より
冬は日差しが弱いたビタミンDが不足しがちに
一般的にこうした栄養素は食べ物から摂取するイメージがありますが、ビタミンDは日光を浴びることで体内でつくることもできます。
じつは、冬の妊婦さんがビタミンD不足になりやすいのは、冬が日差しの弱い季節であるため。秋冬の日照時間が短い北欧では、妊婦さんに限らず、ビタミンD欠乏症が深刻な問題となっているのだとか。冬は、積極的に日光を浴びるのがよさそうです。
ビタミンD不足を解消するには?
厚生労働省が発表している食事摂取基準概要(※2)によれば、1日当たりのビタミンDの食事摂取基準は、妊婦さんで7μg(マイクログラム。1μg=0.001mg)が目安となっています。
ではこの量を摂取するためには何をどれくらい食べればいいのでしょう。ビタミンDが含まれている食材には魚介類、きのこ類、卵などがあります。日常的に口にする食べ物の中で成分の多いものとしては「さけ(100g中、20~30μg)」、「さんま(100g中、18~20μg)」などがありますが、豊富に含まれている食材はそこまで多くありません。
そこで、毎日ビタミンDを摂るのが難しければサプリメントを活用する方法もあります。好きなときに飲むだけで栄養素が摂れるので、食事を補助する意味でとても便利です。ただサプリメントの中には必要以上の量が含まれている場合もあるため、栄養素の摂り過ぎに注意が必要です。商品説明をよく読み、不足分を補う目的で利用してみましょう。
バランスのとれた食生活を送ることは毎日は難しいかもしれませんが、自分の体は口にしたものからできあがります。お腹の赤ちゃんとお母さん、両方の体を健康にするために、不足しがちな栄養素と上手に付き合っていきたいですね。
※2 日本人の食事摂取基準(2015年版)概要より
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