「腸腰筋」でお腹が凹むって本当? 憧れの美ボディを手に入れる方法

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美しく引き締まったボディを手に入れるために意識したいのが「腸腰筋(ちょうようきん)」。この筋肉をしっかりと鍛えると、ぽっこりお腹が凹むともいわれています。今年大注目のキーワードとして、ぜひ知っておきたい「腸腰筋」について、今回は医学博士である小林喜之先生に詳しく教えていただきました。

 

「腸腰筋」とは私たちの体にとって、どんな役割があるの?

― 「腸腰筋(ちょうようきん)」とは、「大腰筋(だいようきん)」と「腸骨筋(ちょうこつきん)」、「小腰筋(しょうようきん)」の3つの筋肉の総称ということなのですが、いまひとつどの部分のことなのかイメージできません。具体的には、どのあたりにありますか?

「おっしゃる通り3つの筋肉の総称ですが、小腰筋は大腰筋の中に含まれていて、人によってはないことも多いので、基本的には大腰筋と腸骨筋の総称と考えてもらっていいと思います。

大腰筋はいわゆる背骨(12番目の胸椎・3番目4番目の腰椎あたり)から、腸骨筋は骨盤の内側から筋肉が始まっています。これらが合わさって、最終的には「小転子(しょうてんし)」と呼ばれる大腿骨の上部内側、内ももの奥へと筋肉が続いています。つまり、腸腰筋とは上から下につながって体を支えている大きな筋肉といえますね」(小林先生)

― 体の内側にある筋肉、インナーマッスルということですね。

「腸腰筋の主な働きは、股関節の屈曲です。骨盤の中を通って、太ももの付け根の内側あたりにくっついているので、股関節を90度曲げて足を引き上げるなどが、腸腰筋が働きやすい動作だといえます。たとえば、椅子に座っている状態から膝を曲げると、腸腰筋が働いているのが感じられると思いますよ」(小林先生)

― なるほど! ほかには、どのような働きがありますか?

「内股を閉じるような動き(股関節の内旋)や、あぐらをかくときのように股関節を外にひねる(外旋)ような動作にも関与している筋です」(小林先生)

 

腸腰筋は、女性らしい体型を維持するカギ!

― 腸腰筋は、何もトレーニングしないと衰えてしまうものでしょうか。鍛えるとどのようなメリットがあるかも教えてください。

「これは、腸腰筋に限らずすべての筋肉においてそうですが、やはり意識して使わないと、少しずつ衰えていきます。

腸腰筋が適度に発達することで、背骨を弯曲させて正しい姿勢を保つ効果があります。横から見ると、ゆるやかなS字のカーブを描いているのが理想的な姿勢です。 

頸椎は前に曲がっていて、胸椎は後ろにカーブし、腰椎はまた前に曲がっています。これらが腸腰筋によって、ゆるやかなカーブを描いた状態を保つことで、たとえばジャンプしたときにうまく衝撃を緩和させることができるのです。

また、腰椎の下には、骨盤があります。骨盤は何もしないと若干前に傾いているのですが、腸腰筋の働きによって、うまく骨盤のバランスもとってくれます」(小林先生)

― 正しい姿勢を保つのに重要な役目を果たしているのですね。

「逆に言うと、腸腰筋が衰えてくると骨盤の傾斜や腰椎の弯曲がなくなってしまい、力を抜いたときに下腹が出てくるような姿勢になってしまうのです。日常生活でそのような姿勢が続くと、体型のラインに影響してくるといえますね。腸腰筋の衰えによって皮下脂肪がつくと、直接的には言いにくいですが、下腹が出てくる要因のひとつともいえるでしょう。背中が丸まったり、肩が張ったりという悪影響も出てきます」(小林先生)

― それは、女性にとって見過ごせない問題です!

「ちなみに、腸腰筋の断面積を比較すると、欧米人はアジア人の2倍、アフリカ系の人はアジア人の3倍だともいわれています。たとえば陸上選手を見ていると、欧米やアフリカの選手は日本人よりもヒップアップしている人が多いと思いませんか? 腸腰筋が発達していると、お尻の筋肉が引き上がって、ヒップアップした美しい体型につながるといえるかもしれませんね」(小林先生)

 

冷え性の改善にも効果あり!?

― そのほかに、女性にとってうれしい効果はありますか?

「冷え性の改善も期待できます。

筋肉の中には毛細血管があり、酸素・二酸化炭素・栄養分などのほかに、人間の体の中心部分でつくられた熱を体のすみずみまで運ぶ役割も果たしています。腸腰筋は筋肉として大きな面積を占めるので、この部分が固くなってしまって血液が循環しにくくなると、熱が運ばれにくくなり、女性の大敵である「冷え」の原因の一つになる恐れがあります。

有酸素運動やストレッチも大切ですが、腸腰筋を鍛えることで血液循環が促進され、基礎代謝量の上昇も期待でき、骨盤周囲の内臓器や間接的に指先に対する冷えなどの改善も期待できると言えます」(小林先生) 

 

私たちの体にとって、とても大切な役割を果たしている腸腰筋。下腹を凹ませ、ヒップアップや冷え解消まで期待できるとは驚きです。次回は、自宅でできる腸腰筋のトレーニング方法について、引き続き小林さんに教えていただきます。どうぞお楽しみに!

 

 

お話を伺った人

小林喜之先生
日体柔整専門学校(4月より「日本体育大学医療専門学校」)教諭・柔道整復師・医学博士。日本体育大学柔道部出身。柔道整復師として開業、接骨院・病院勤務、トレーナー、教員など多岐にわたる中、現在も教諭として柔道整復師の教育に携わる。

 

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