東京・日本橋にあるオーダーメイドの婦人靴HOSHINO。
靴のオーダーメイドと聞くと、紳士靴をイメージする方が多いと思いますが、HOSHINOでは女性の美しさを足元から引き立ててくれるような靴を作ってもらうことができるんです。
デザインから製作までを担うのが、HOSHINO BESPOKE SHOES 代表である星野俊二さん。
会計士として監査法人で働いていた星野さんですが、あるとき靴の魅力に目覚め、週末やアフターファイブを利用してオーソペディック(足の治療又は足の運動機能を補助する目的で専門技術者によって製作された靴)の職人のもとで靴の修業をスタートしました。
そんな異色の経歴を持つ星野さんの靴に込めた思いをお聞きしました。
最終目標は「全ての女性にHOSHINOの靴を履いてもらうこと」
「モノ作りを、趣味ではなく世の中が変わる軸を持ってやっていきたいと感じたことが靴職人になったきっかけです。多くの女性が靴について悩んだり、困ったりしているんですよね。
生活をする中ではなくてはならないものなんだけど、意外と、ありふれているに満たされていないアイテムが靴なんじゃないかなと思ったんです。子どもに新しい靴を買ってあげるとすごく喜ぶんです。その姿を見ていると、靴って、洋服ともちょっと違う特別なアイテムだなと感じたんです。
僕の最終目標は、どんな女性にもHOSHINOの靴を履いてもらうことなんです。今の体制では全てのターゲットに対して提供するのは難しいのですが、いずれは全ての女性がうちの靴を履いて、ストレスなく靴を履けるようになってもらいたいんです」
そう語る星野さんが作る靴が並ぶ日本橋のアトリエには、思わずため息がこぼれるようなラインの美しいパンプスが並んでいます。
HOSHINOのオーダーメイドシューズができるまで
フルオーダーだと半年、セミオーダーだと3ヵ月で完成するHOSHINOのオーダーメイド靴。オーダーから完成までの流れをお聞きしました。
「まず、その方が靴に何を求めているかをお聞きします。お客さまによってそれはさまざまなんです。
例えば、靴が大好きでシューズボックスに100足の靴を持っているけど、オーダーメイドはしたことがないという方と、20代前半で足のサイズが小さすぎてパンプスは一生履けないと諦めていたけど、本当に自分に合ったものを試してみたいという方がいたとしたら、履けるものに対してプラス1なのか、履けない方に対して0から1なのかで、全く違うんですよね。
前者の場合は、どんな靴が好きか、よく履く物、どんな時にどういう風にパンプスを履いてるか、履きたいかというところからデザインを作るんですが、後者の場合は、全く履いたことのないパンプスを履くというところからのスタートになるので、ヒールの高さも5cm くらいにしましょうとか、バックグラウンドを見て、一旦こちらで絞りこむ作業をして、あたりがついたらイメージを作り、そこからようやく採寸がスタートします。
HOSHINOでは、パンプス以外にもブーツやサンダル、ローファーのオーダーも可能です。作るもので採寸箇所って変わるので、作る靴のイメージができてから測ります。
やはり、足にフィットしないと痛みを感じやすいパンプスの採寸が一番シビアです。どこに問題を抱えやすいかを見ながら測っていきます。
足型に忠実に作ったとしても、それが完璧な完成になるとは限らない。最終的には、履き心地が良いか悪いかはお客さまが決めるので、これぐらいがちょうどいいという感覚を大事にしたいと思っています。
サイズを確認したら、足入れ用のサンプルが100足あるのでそれを履いていただきます。足のサイズは左右違うので、左右それぞれ100分の1から近いサイズを見つけ、あとは足し引きをするんです。
23cmだとちょっと緩い。でも、22.5だとちょっときつい。そうなると、23cmを1.5mmつめて作りましょうとなるんです。採寸後は、細かい調整になります。
フルオーダーの場合は、途中で一度仮縫いが入ります。仕上がりの手前に、フィッティング用の靴を一足を作って、履いていただくんです。だいたいここで何か不具合が出てくるので、さらに調整して、仕上げていきます。
完成後も、気になることがでてきたら無料で調整します。1足作って納品して終わりではなく、1足の靴から、お客さまとの繋がりが始まるんです。
結婚記念日の贈り物としても選ばれる
一度は履いてみたいと思うオーダーメイドの靴。まずは気軽に試してみたいという場合は、セミオーダーからスタートしてみるのがいいかもしれません。
HOSHINOでは、オリジナルのデザインをオーダーすることも可能。希望があれば、星野さんがお客さまをイメージしてデザインすることもあるそうです。
その場合も、求めているもの、その方に似合うものなどをお客さまとの会話からイメージを膨らませてくれるという星野さんに、HOSHINOのお客さまについて聞いてみました。
「10代後半から70代の方まで幅広くいらっしゃいますが、40代前半の方が一番多いですね。初めていらっしゃった方は、宙に浮いたようなふわふわした履き心地をイメージしていらっしゃるんですが、実際のオーダーシューズは、きゅっと靴独特の占められる感覚になるんです。
自然と足にフィットする。固いんですけど、履き心地がいい。そのフィット感を気に入って、何足もオーダーしてくださる方もいらっしゃいます。
中には、結婚記念日で旦那さんから奥さまへのプレゼントというオーダーもあります。旦那さんからのご依頼の場合は、パートナーの方が靴選びに困っているのを見てるのでオーダーにいらっしゃるという方が多いです。
靴って、良い値段で買ってるものでも合わないという方は多いんです。HOSHINOの靴は、足元のオシャレを楽しみたいという女性の気持ちに寄り添っていきたいと思います」
フルオーダーと聞くと敷居が高く感じるものですが、星野さんのお話を伺っていると、「自分のためだけの1足を履いてみたい」という気持ちになりました。
それは、星野さんが靴というアイテムを通し、全ての女性たちが喜びを感じること、おしゃれを楽しむことに寄り添いたいという気持ちが溢れているのを感じたからです。
店内に飾られた靴たちは、どれも繊細ながら一足、一足、目を奪われるほどの存在感がありました。作り手の想いがこもっているからこそ感じる輝きがHOSIHINOの靴にはありました。
【フルオーダー】
木型99,000円(税抜)*1足目のみ。2足目以降は無料。
本体74,000円 ~(税抜)*デザイン次第となります。
納期1足目:180日
*木型製作/仮縫い含む。
サイズとワイズ19.0-28.0cm / AAA-F
*全て1ミリ単位でのお仕立てとなります。
【セミオーダー】
木型 無料
本体 ¥45,000(税抜)
*デザイン次第でお値段は異なります。
納期90日
*デザインによって納期は前後することが御座います。
サイズとワイズ21.0~26.0cm/A-5E
*全90種類から左右それぞれ1種類ずつお選びを頂きます。
アイキャッチ画像:HOSHINO BESPOKE SHOES
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