年々、暑さが増している気がする日本の夏。
30℃を超えるどころか、40℃近い気温になる日も多く、夜になっても暑さが残り過ごしにくく日夜問わず熱中症が危惧されます。
熱中症は「誰でも」「いつでも」「どこでも」なり得る病気。
暑い環境でスポーツをしたり、働いていたりするときだけでなく、室内にいるときにも発症します。
熱中症で病院に運ばれる割合は、7対3で男性が多いのですが、実はその一方で女性の方が熱中症になりやすいとされています。
熱中症は早い段階で適切に対処すれば、ほとんどは大事に至らずに済む病気。
熱中症にならないためにするべき対策を、専門家がおすすめする対策とともに紹介します。
熱中症になりやすい日を知る
熱中症は気温などの環境条件だけではなく、人間の体調や暑さに対する慣れなどが影響して起こります。
気温がそれほど高くない日でも、湿度が高い・風が弱い日や体が暑さに慣れていない時は注意が必要です。
2024体が暑さに慣れるのに3~4日はかかると言われています。急に熱くなった日や、暑いなかで久しぶりに作業した日などは体温調節がうまくいかず熱中症になりやすいので気を付けましょう。
熱中症を予防する方法は?
環境省の熱中症予防情報サイトによると、予防のための基本的な対策は4つ。
- 水分・塩分補給
- 涼しい服装で熱をこもらせないこと
- 日傘や帽子を活用すること
- 日陰がある時はなるべく入ること
どれも日常生活の中で簡単にできることばかりですね。
水分補給の重要性
体の水分は生命を保つうえで 、酸素に次いで重要な役割があります。
- 栄養素や酸素を運ぶ
- 体温を調節する
- 老廃物を排泄する
- 体の様々な機能を維持する
体から水分が不足すると これらの役割が果たせなくなります。
意識して水分を補給し、汗をかいた場合は塩分もあわせて摂取するのが望ましいです。
持ち運びやすい塩分タブレットもおススメです。
熱中症の初期症状を知る
熱中症が重症化するのを防ぐためには、初期症状の時点で自覚することが必要です。
熱中症の症状を重症度順に並べたのがこちらの表。Ⅰ⇒Ⅲの順に重症度が高くなります。
分類 | 症状 | 対応方法 |
Ⅰ度 |
めまい・湿疹・立ち眩み・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の発汗 |
すぐに涼しい場所に移動して体を冷やし水分・塩分を補給 |
Ⅱ度 | 頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感 | 自分で水分・塩分をとれない場合は、すぐに病院に搬送する |
Ⅲ度 | 意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温 | すぐに病院に搬送する |
Ⅰ度の症状を感じた時点で、「すぐに涼しい場所に移動して体を冷やし水分・塩分を補給」という対応をとれば重症化を防げます。
女性の特性を意識して熱中症対策をしよう
画像出典:https://www.photo-ac.com/
実は水分を溜める役割を持つ筋肉。
女性は男性よりも筋肉量が少ないため、脱水症状を起こしやすく熱中症のリスクも高くなります。
また、生理周期も関係。月経前の黄体期は体が水分を蓄えていますが、月経時の出血とともに水分も排出され、その時に脱水気味になります。
毎日の生活のなかで涼しく過ごす工夫や、こまめな水分補給を心がけ、十分な睡眠や休養・栄養をとり、暑さに負けない健康なからだづくりをしておくことが大切です。
女性ならではの特性を意識しつつ、熱中症に対する知識を深め、的確な対策をとれるようにしておきましょう。
参考:慶應義塾大学SFC研究所上席所員(健康情報コンソーシアムメンバー):本田由佳
「夏に気をつけたい 子どもを守る熱中症対策」
取材協力:「楽天ママ割 ママの学校」
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/