多くの女性の健康に関するお悩みのひとつに、「貧血」が挙げられます。
女性は月経による毎月の出血の他、妊娠・分娩・授乳といった身体的変化、またダイエットや偏食によっても貧血になりやすいと言われており、厚生労働省の調査によると「日本人女性の10人に1人は貧血」とされています。
貧血による症状と言えば、代表的なものにめまい・立ちくらみがありますが、「なんとなくいつも疲れやすい」「頭痛になりやすい」「息切れしやすい」といったトラブルも貧血が原因かもしれません!
このように、女性に特に気をつけていただきたい貧血は、毎日の食事で改善することができます。そこでここでは、貧血の中で当てはまる方が最も多い「鉄欠乏性貧血」に注目し、貧血改善・予防におすすめの食材をご紹介します。
Contents
貧血ってなに?
「貧血」には、大きく分けて「脳貧血」「鉄欠乏性貧血」「巨赤芽球性貧血」「再生不良性貧血」の4種類があります。
「脳貧血」とは、一時的に脳への血液量が減少した症状。たとえば「朝礼での立ちくらみ」が、この脳貧血に当てはまります。
次に「巨赤芽球性貧血」とは、ビタミンB12や葉酸が不足して起こる症状。ベジタリアンの方や妊婦さんが比較的なりやすいと言われています。
また「再生不良性貧血」とは、骨髄内の造血幹細胞が減少することで、赤血球・白血球・血小板が減少する症状であり、原因不明の突発性疾患です。
そして、通常「貧血」と呼ばれる、多くの女性が当てはまる貧血は、以上の3種類とは異なる「鉄欠乏性貧血」のことを指します。
鉄欠乏性貧血とは、赤血球の成分「ヘモグロビン」というたんぱく質を作り出す「鉄」が不足することで起こる症状。
赤血球は酸素を運ぶ細胞のため、その重要な成分ヘモグロビンがうまく作れずにヘモグロビン濃度が低下すると、全身が酸欠状態となって様々な弊害が起きるのです。
【鉄欠乏性貧血による主な症状】
・疲労感、倦怠感
・イライラ感
・顔色が悪い
・まぶたの裏側が白い
・むくみやすい
・動悸、息切れがしやすい
・爪が割れやすい
・さじ状爪(爪が平たく反り返る)
・めまい
・頭痛
・耳鳴り
・抜け毛
・肌の乾燥、肌荒れ
・舌炎、口内炎
・歯茎の出血
・食欲不振
・嚥下障害(飲み込みにくい)
・氷食症(一年中異常に氷を食べたくなる)
貧血改善・予防に摂取したい栄養素
では、鉄欠乏性貧血を改善・予防するには、どのような食材を摂取すればよいのでしょうか。
先述したように、鉄欠乏性貧血の原因は、酸素運搬に欠かせない「ヘモグロビン」がうまく作られなくなるため。そこで、鉄欠乏性貧血改善には、ヘモグロビンもしくは赤血球の働きを助ける栄養素が重要となるのです。
そこでまずは、摂取したい栄養素からチェックしてみましょう。
①鉄
ヘモグロビンを作る働きがある。
②たんぱく質
ヘモグロビンの材料となる。
※ヘモグロビンは、「ヘム」(=色素)と「グロビン」(=たんぱく質)が結合してできているため。
③ビタミンC
鉄の吸収を促進する。
④ビタミンE
抗酸化作用があり、赤血球膜の脆弱化を防ぐ働きがある。
⑤ビタミンB12
赤血球生成の働きがある。
貧血改善・予防におすすめの食材例
貧血対策に欠かせない栄養素が分かったところで、ここからは貧血改善・予防におすすめの食材を見ていきましょう。
【鉄を補給できる食材】
鉄欠乏性貧血の改善と言えば、第一に鉄の摂取が欠かせません。
鉄は汗や尿などで毎日排出されるため、それを補うためにも1日あたりの推奨摂取量は、成人女性(月経あり、妊娠はしていない状態)で10.5mgされています。赤血球は毎日新しく作られているため、その材料の鉄もまた、毎日コツコツ摂取する必要があるのです!
では、どのような食材に鉄が含まれるのでしょうか。
実は鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。そして、ヘム鉄は主に肉類・魚類などの動物性食材に含まれ吸収率が高く(10~20%)、非ヘム鉄は主に緑黄色野菜・穀類などの植物性食材に含まれ吸収率は低い(2~5%)、という特徴があります。
そのため、効率的に鉄を摂取する場合は、ヘム鉄が含まれる食材を積極的に摂取するほうが良いでしょう。なお、非ヘム鉄を含む食材を摂取する場合は、ヘム鉄が含まれる食材と一緒に摂取することで、吸収率がよくなります。
■ヘム鉄が含まれる食材例
豚レバー、鶏レバー、牛レバー、肉類、魚類(カツオ、イワシなど)、貝類(アサリ、シジミなど)
■非ヘム鉄が含まれる食材例
小松菜、ホウレンソウ、枝豆、ソラマメ、ひじき、大豆、豆乳、大豆製品、プルーン、レーズン、鶏卵
※鉄摂取時の注意点
コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ワインなどに含まれる「タンニン」は、鉄の吸収を抑制します。そのため、食事中や食後2時間以内は、これらのタンニンが含まれる飲み物の摂取は避けることをおすすめします。
【たんぱく質を補給できる主な食材】
肉類、魚類、鶏卵、牛乳、乳製品、大豆、大豆製品
ご覧の通り、ヘム鉄・非ヘム鉄は、たんぱく質が多く含まれる食材に含まれます。動物性たんぱく質、植物性たんぱく質をバランスよく摂取して、ヘモグロビンを作りやすくしましょう。
【ビタミンCを補給できる主な食材】
赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、果物(ミカン、キウイ、カキ、イチゴ、レモン、ザクロ、グレープフルーツなど)
「ビタミンC」やクエン酸などの「果実酸」(果物・野菜・穀物に含まれる)は、鉄の吸収率を上げる特徴があります。そのため、これらが含まれる食材を鉄と一緒に摂取するようにしましょう。
【ビタミンEを補給できる主な食材】
ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ)、種子類(ひまわりの種など)、植物油(ひまわり油、ベニバナ油、小麦胚芽油、大豆油、トウモロコシ油)、ホウレンソウ、ブロッコリー、アボカド
ビタミンEは健康な赤血球を維持する働きがあり、さらには免疫機能の維持や神経や筋肉の健康維持にも関わる栄養素です。鉄不足による体調不良をカバーするためにも、積極的に摂取しましょう。
【ビタミンB12を補給できる主な食材】
肉類、魚介類(マグロ、エビ、イワシ、サケ、アサリ、カキなど)、チーズ、牛乳、鶏卵
※野菜・果物には含まれていません。
ビタミンB12は赤血球生成の働きの他、脳の活性化にも作用する栄養素です。ただし、野菜や果物など植物性食材には含まれないため、ベジタリアンの方などはサプリメントで補給することをおすすめします。
鉄不足はバランスのよい食事から改善!
貧血はよくある症状だからと侮っていると、全身の不調を招いてしまうため要注意です。
まずは毎日3食の食事からバランスよく栄養素を取り入れつつ、鉄不足を補うように意識して食材を選ぶようにしてみましょう。
また、鉄の吸収を阻害するタンニンを含む飲み物は、食事中から食後まもなくはできるだけ避けるようにするなど、食べ合わせについても注意する習慣をつけてみてくださいね。
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